ランは菌根植物である。
植物で最も進化したランが最も原始???生物の菌と共生しなければ、生きられない。
人間も・・・消化器内に菌を生息させなければ生きられない。
つまり原始の力を借りて利用して生存している。

しかし近代の科学は、この原始的な菌を排除、削除して、効率を求める植物栽培を推進してきた。

ランは菌根植物であるのに、ここから構築された用土も栽培法もなかった。
一口に言えば、現在のラン栽培法では、自生地を再生できないということである。
例えば、エビネブームの中で乱掘され、無造作に絶種した御蔵島の「ニオイエビネ」。
この島を・・・元のニオイエビネが咲き乱れる島に・・・・・
これまでの用土、栽培法では復元不可能だということである!
これまでの用土、栽培法が、自然の法則に合致したものであれば、
復元できるはずである。
それが出来ないということは、欠陥があるということである。
それはどんな欠陥なのか???
ラン菌を島に生息させうる用土、栽培法がないからである!

このことは、エビネだけでなく、全てのランに共通する。
プラントハンターは採集はするが・・・・自生地を再生復元はしない!
ラン界の科学は、自生地を再生、復元できないレベルである。
ランを愛好する前に、このことを認識して、ランを栽培すれば、
ランがなぜ栽培が難しいか・・・相当研究しなければならない植物か理解出来よう。
例えば・・・植物工場の社長さんが・・・・全部の植物を作れる・・・というのを聞いたことがある。
本当にそうか????
菌根植物があることを知らないのではないか!
植物工場で・・・屋久島の7000年の大王杉を作れるか???・
そこまでいわなくとも・・・・カタクリを作れるか????
植物の生態系は・・・そんなに単純ではない。


近代の無機化学農業、園芸は、リービッヒの「無機栄養」理論から構築されている。
有機と無機。
植物が根から吸収する養分形態は、19世紀に大論争を巻き起こし、
植物は有機態で吸収するのか、無機のイオン形態で吸収するのかという論争である。
リーブッヒは有機物は微生物によって分解され・・・最後は無機のイオン形態になり、
植物はイオンの形態で吸収すると唱えた。
後年・・・植物の水耕栽培でこのことが実証されたことにより、リービッヒの理論が正しいことが証明された。
化学肥料による植物、作物栽培が世界中で行われるようになった。
ラン、山野草のような植物栽培にも、化学肥料を施与することが普及している。
これが常識にもなっている。

この栽培法が・・・近頃土壌劣化をもたらし、畑が荒廃し砂漠化している。
病気の多発が問題になっている。
窒素肥料の過剰施肥である。
ラン栽培でも、ナンプ病、株腐れ病・・・・が多く見られるようなった。

そういうことで、近年、廃れた筈の・・・・有機農法が見直されるようになった。

つまり、植物というのは、現在の科学で割り切ることが出来るような単純なものではなかったということである。
植物の生態系というのは、単純なものではなかったということである。
リービッヒは生態系の狭い部分を解明したに過ぎなかったということである。
「想定外」のことが起こる。
原発でも・・・・想定外のことが起こった!
無機化学肥料による農業で・・・・・砂漠化・・・・リーブッヒは想定しただろうか???
想定外というだろうか。
でも・・・・肥料を与えると・・・・・多く収穫できる!!
ラン栽培でも・・・Mor・・・・もっと、もっと・・・から逃れることは出来ない。
人間の向上心・優越感・・・経営が罹っている。
儲けるには多収穫が一番である。
植物は肥料で作る!!
これが常識になってしまった!!
植物工場!!

しかし、植物の自生地では・・・誰も肥料など与えない。
それでも植物は自生地では何万年、何百万年も生き続けてきた。
生態系からみれば養分も、生態系を構成する一部分でしかない。
自生地での主役は「微生物」である。
枯れ落ち葉を分解する「微生物」・・・・である。
天才リービッヒが削除したものは・・・・この微生物である。
微生物の働きを削除して・・・・化学薬品で置換した。
化学肥料というのは化学薬品。
地球の歴史・・・生物の歴史・・・を削除したのである。

ラン科植物。
植物進化の頂点にあるこの植物はラン菌と共生して生きる「菌根植物」である。
このランを栽培するのに、ラン菌を削除した用土で、肥料を与えて栽培してきた。
ラン栽培の歴史200年・・・・・。

植物栽培上の2大発見。
炭酸同化作用・・・光合成と植物必須元素の発見!!
植物必須元素16の中の炭素C。
この炭素循環栽培法は・・・この炭素Cの問題である。
光合成は別名・・・炭酸同化作用ともいう。
炭素と酸素から炭水化物を作る作用だからである。
このとき光のエネルギーを使用するから・・・光合成とも呼ぶ。
植物は必須元素の炭素Cを空気中の炭酸ガスを吸収して調達する!!
これが・・・教科書に書かれてる常識。
だから化学肥料に炭素の肥料はない。

本当に植物は空中の炭酸ガスの炭素のみで・・・・エネルギーが足りるのか???・
そういう疑問が出てくる。
光合成をしない、出来ない、衰えた植物はどうなのか???
地球には・・・光合成をしない、出来ない植物も存在する!
こういう植物はどこから生命を燃やす炭素を調達しているのか?????
その代表的な植物がラン科植物である。
プロトコームであり、葉を持たない・・・葉緑素を持たない腐生ランである。

これまで、植物を論ずる場合、このラン科植物のプロトコーム、腐生ランから、
植物の栄養を考察したものはない。
有機農法は有機と言いながら・・・・この炭素、土壌中の炭素は削除されている!!
有機が有機であるのは炭素が存在する否かなのにである。
なぜか????
例えば土壌に炭素化合物の砂糖、蔗糖、メイプルシロップ・・・・を与える。
短時間に嫌気性菌によってアルコール発酵してしまう。
植物は糖溶液を根で吸収できない!
そういうことで・・・・糖の肥料は作れないし・・・・根から吸収できないから・・・開発しても無意味なのである。
炭素は空気の炭酸ガスから摂れるから、炭素、糖の肥料など必要ない・・・というのが・・・これまでの科学である。

しかし、前記のランのプロトコーム、腐生ランは炭素をどこから調達しているのか????
水耕栽培で・・・屋久島の7000年の大王杉を育てられるか????
そういう疑問が出てくる。
自生地では誰も肥料など与えない。
それでも大王杉は7000年も生きてきた!

リービッヒは微生物の働きを化学薬品で置換することを考えた天才である。
この発明には食料増産、戦争という背景があるが・・・・
食料は戦略物資である。
肥料を与えて作物を作るということは・・利益をもたらす!
これにリービッヒの化学が・・・・見事に合致した。

ラン栽培からラン菌が削除されたのも・・・・近代無機化学薬品農法から誘起されたものである。
水ゴケ、軽石、バーク・・・・には養分を含まない。
肥料を与えて作る!
ラン菌が生きていないから・・・上記の用土では「自生地を」再生できない!
自生地の生態系を鉢に再現不可能である。
だから、ランの絶滅した場所を・・・元の状態に戻すことは出来ない!
絶種するだけである!

自然は植物にとって優しくはない。
津波もある!!
猛暑もある。
旱魃もある。
豪雨が続くこともある!
想定外????のことが・・・・あるのが自然である。
備えあれば憂いなし!
原発には・・・この自然の法則から学ぶ知恵がなかった!
学者の驕りである。
植物工場????
太陽エネルギーを削除して・・・・電気で光合成をさせる。
電気が停電したら・・・成立しないことになる。

横道にそれたが・・・・・
想定外の条件が到来したとき・・・・それを凌ぐことが構築されているのではないか???・
そういうシステムがなければ・・・大王杉が7000年生きられないのではないか???
カトレアのワルケ、ノビリが・・・・過酷な条件下で生き続けることが出来ないのではないか???
想定外のことが起こったとき・・・それでも生き残ることが出来るシステムがなければ、
生物は子孫を残し続けることは出来ない・・・・。
それは一体何なのか???
どういうものなのか?????

つまり植物工場の・・・水耕栽培の植物が・・・・
電気がつかない、水を循環できない・・・・たったこれだけのことで全滅する!
水ゴケ栽培のランが、少し多湿にしただけで根腐れする。

これまで科学が見落としてきたもの。
自生地における微生物のネットワークである。
微生物をも含んだ生態系である。

ラン栽培は、自生地を再現すること。
そう識者、権威者はいう。
しかし、自生地を再現した栽培など・・・・行ってこなかった!
ラン菌のいない用土で栽培してきた。
自生地の生態系無視栽培である!
山堀りされたランにとって・・・・水ゴケ。バーク、軽石で作られるほど・・・・想定外のことはないだろう!
多くの、殆どのランが・・・そういうことで枯れてゆく。
植物は、ランは・・環境条件い受身の進化をしたから、この想定外の条件でも・・・
泣き泣き、したたかに生きる能力を持っている。
ランでいえば、ラン菌がいない用土で栽培しても生育するし、花も咲いてくれる。
だから、ラン菌のいない生態系削除でも栽培出来ると・・・思ってしまう。
しかし、何十年栽培していると・・・・段々ランは難しくなる。
ましてや、1000坪、2000坪の大栽培すると・・・・経営が破綻するようになる!
自生地の生態系を構築できない栽培場の問題が出てくる。
趣味のラン栽培とは・・・・大面積の蘭園、栽培は、
同じラン栽培であるけれども・・・・・似ているが非なるものである
SUGOI-neはプロ用の大面積で大成功するように開発した用土である。
SUGOI-neのブログを拝見しているが、殆ど、SUGOI-neの開発理念を理解しないで、
失敗しているようである。
想定外????
SUGOI-neは想定外のことが起こる!
深い知識。
確かな技術。
豊富な経験。
この栽培の3要素をもたない人には想定外のことが起こる。
これは原発にも当てはまる!

SUGOI-neで大成功した人。
失敗した人。

その違いは・・・「ラン菌」を想定したか「想定出来なかった」・・・かの違いである!
これまでのランの本、講習会で、ラン菌の生態系が説明されたものはない!
だから・・・ラン菌を想定しないで・・・・これまでの知識、技術でSUGOI-neを使った人は見事に失敗する。
知識、技術より先に・・・屋久島の大王杉の生きる姿から・・・・生態系を究明することであろう。
(近年の研究では大王杉の根、土壌には500種以上の微生物がネットワークを構築していることがわかってきた。
 その一つ一つの微生物を究明しても無意味であることがわかってきた。
 ネットワークの働きで7000年護ってきたということである!)

植物にとって、充分な光合成が出来るか否かは死活問題である。
充分なエネルギー源が確保されなければ、生命活動を維持できない!
炭素。
植物も生命活動は炭素(炭水化物)を燃やして得る。
夏負け・・・・人間も夏負けした時・・・ブドウ糖点滴、注射する。
植物も同じこと。
SUGOI-ne栽培では「夏負け」しない。
夏の猛暑にも負けない!
なぜか????
ラン菌が枯れ落ち葉のリグニン、セルロースという高分子の炭水化物を分解して、
低分子の糖を作り、ラン菌がランに供給するからである!
1922年。
このことを喝破したナドソンが・・・・無菌培養に成功したのは、
リービッヒの無機栄養理論に、ランが枯れ落ち葉を分解して作る「糖」を添加したからである。
これは無菌という自然界にない条件下でのみ可能なことで、
植物の根に糖を供給出来るのは共生する好気性菌の材木腐朽菌である。
腐敗醗酵菌である嫌気性菌ではない。
ランはスローモーで生きる植物。
想定外の事態には・・・エネルギー源不足にはラン菌の力を利用してきた。
そういうことで、ラン菌のいない用土栽培では、エネルギー不足の事態には対処できない。
作落ち・・・衰弱・・・枯れる・・・この道程になる。
これに肥料を与えても・・・・意味はない。
不足しているのは炭素だからである。

地球の陸上に生息する植物のあるところ、そこには必ず枯れ葉、植物死骸がある。
そこには、必ずそれを食べて分解する材木腐朽菌が生息する。
これが自然の法則である。
落ち葉、死骸を無駄にしない!
自然界には「ゴミ」は作らない。
津波被害の瓦礫、ゴミ・・・・人間の営みは瓦礫、ゴミを作る。
あげく、自然界にない原発は放射能を含んだ元素まで作る。
ヨウ素、セスウム、プルトニューム・・・・。
これこそ究極のゴミである。
なぜなら、それらは植物の必須元素ではないからである!


塩害。
東日本の地震では田畑に海水が押し寄せ塩の結晶が出来た。
数年・・・・イネを作物を栽培できない!
化学肥料は・・・塩である!!
鉢に化学肥料を与えということは・・・・・これと同じことである。
特にラン栽培では、秋、冬に乾燥させる!
肥料を多く与えた人の鉢には、塩の結晶が出来ている。
化学肥料を与えるときは・・・このたびの震災被害を念頭において行うことである。
リービッヒが削除したもの

             原始力と科学力
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